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  • 朝野裕一

身体が動く仕組みを知ろう;その6〜俊敏性ってなんだろう?(3)

明日の午前(日本時間)に、

現在のプロボクサーの中で一番優秀で強い(体重差をなくしたと仮定

すると;パウンド・フォー・パウンドと呼ばれています)と言われる

ウクライナのワシル・ロマチェンコがイギリスで試合をします。

彼は前にも書きましたが、そのテクニックとともに、素早い身のこなし

、特にそのステップの速さが特徴です。

そしてそのステッピングは、実はダンスから学んだというものだ、

ということでした。

このシリーズの俊敏性については終了、と考えていたのですが、

ふとそのことを思い出し、明日の対戦を想像したら、ステップの速さに

伴う俊敏性についても語っておこうかと、思い直したわけです。

ジャンプとともにステッピングも身体を速く動かすためには必要な

スキルです。

こちらも、

日常生活の中で使う場面はそう多くないかもしれません。

でも、

ジャンプよりは簡単に再現できる状況が作れそうでもあります。

水たまりをピョンと跳ぶ代わりに、ステップ(ということは一歩)で

避けたり、スキップをしたり、階段の昇り降りを素早く行うのも

ステップの練習になります。

スッテプをして素早く重心移動させるということは、動的バランス能力

を必要とします。

動的バランス能力には、重心の位置を効率よく移動させるために体幹を

含めた中心部の安定性が必要です。

中心が安定して初めて、下肢を巧みに動かすことが可能になります。

その上で、

最終的には足裏と地面との圧力登坂力の度合いを調節して、重心を移動

させることになります。

ロマチェンコのボクシングを見ていると、まるでスケートを履いて氷の

上を滑っているかのような、なめらかな身のこなしで、相手がパンチを

繰り出そうとした時にはもうその前にはいません。

さらに、

身をかわしながら、相手が見えないところからパンチを繰り出します。

これでは相手にとってはボクシングができません。

結果として、

たとえKOされなくても、ギブアップしてしまう“ロマチェンコ勝ち”が

完成します。

実力のある挑戦者がなんどもこの形で負け(を認め)ています。

なめらかなリング上での身体の動きハマるでダンスをしているようにも

見え、父親がダンス教室に通わせた意味がここで発揮されています。

ダンスといえば、

マイケル・ジャクソンなどが行うムーン・ウォークをはじめとした、

床上をすべるように移動するダンスを思い起こします。

素早くかつなめらかというのがミソで、ドタドタしていない動きです。

我々はついつい早く動こうとして思い切り力を出そうと頑張ってしまい

結局、ドタバタした(素早くはない)動きになってしまいがちです。

ですから、

このなめらかな身のこなしには、身体の柔らかさ=可動性が伴っている

と気づきます。

格闘技やスポーツであれ、ダンスや踊り(日本舞踊を含む)・能楽で

あれ、なめらか・しなやかで素早い動きは、日常生活でも役に立つ

のではないでしょうか?

多分、

一連の動きがとても効率的に、安全に行える要因がそこにはあると

思います。

可動性を維持・改善しつつ、ステップをどこかに取り入れていきたいな

と感じているところです。

他人のしなやかな身のこなしを参考に、ちょっと真似してみましょう。

最初はドタバタするでしょうが、イメージが定着すればあなたの身の

こなしも少しずつなめらかに変わってくるのではないでしょうか。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。

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